1991年7月3日〜7月11日

杵島隆<Four Seasons―夏> 展





昨年ニューヨークで開きました<Four Seasons>展の

作品が帰ってまいりました。

このたびの叙勲を記念して、その中の「夏」をご覧いただきたく、

御案内申し上げます。


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 1991年11月11日〜11月22日


夏目有彦漆芸展
 




朝から降りつづいていた雨が雪へとかわり

いつしか木曽路は白一色に霞んでいた。

列車は除行を繰り返しながら進んでゆく。

夏目有彦の工房に着く頃辺りは深い闇におおわれていた。

切られるような寒さに息をのむ。

しかし漆の気が充満する室の中では裸電球に照らされた

氏の作品たちが暖かく息づいていた。

”朱と黒”この単純明快な色調と刷毛目がかもしだす柔らかな手ざわり、

そして素朴でおおらかな造形の美しさ。

夏目氏の作品には凍てつく風にも雪にも

負けないたくましさとぬくもりがこめられている。

その夜小さな灯の下で男二人の雪見酒としゃれこんだ。

根来塗の椀のなかでほのかな灯りが

いつまでもゆれていた。