2000年6月12日〜6月23日

井上有一展






一字書や大作で知られる井上有一が、自分の歌を書いた愛らしい小品30点

(20p以内、ほとんどは15.6p)をそろって展示します。

これは1973年、有一が神奈川県有馬中河内の農家に仮寓した折に、

夫人がまいた朝顔の種が、「桔梗のような色の小さな花」を咲かせたことを喜び、

日課に書いたもの。

古い農家の仮住居では大作を書くことが出来なかったので、

仮名書きのみずみずしい作品が生まれました。

「朝顔」と書いた中作(1m×65p)2点も一緒に発表致します。


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 2000年9月18日〜9月29日


尾形周平展
 




尾形周平先生が急逝されてから1年半が経ちました。

その間に、周平先生のファンやコレクター方からの強い御要望もあり、

此のたび工房から新たに発見された作品を中心に

遺作展を開催する運びとなりました。

又、御遺族からの申し出により、故人が生前にお世話をいただきました

皆様への感謝の意として、お求め易い価格になっております。

「私にとって茶陶を勉強することが陶器のすべての基本となる」

と語られていた周平先生を偲ぶ一会として、

皆様お誘い合わせの上、御光臨いただきたくご案内申し上げます。


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 2000年10月26日〜10月28日


須佐知行「書・画」 阿曾一実「陶」展
 





須佐知行さん(密乗院住職)の童句集「鼻ったれ小僧」を読んでいると

思わず顔がほころびます。

ー鈴虫に 御礼も言えず 姿消えー

ー寝ころんで 地球で見上げる 流れ星ー

などなど、視点は無限大にひろがり、生きている喜びがわいてきます。

そこでもっと多くの方に知って戴こうと書の個展をお薦め致しました。

それがいつの間にか、このようなかたちになるとは…。

爽やかな風に吹かれながら、お出かけになりませんか。

阿曾一実




阿曾一実さんは画廊主。

仕事よあり余技に力を注ぐ。

彼から生まれた陶器は、花や茶、そして私たちの友。

土に託した熱き想いや、微かな囁きをそっと聞いてみたいですね。

語りかけたり、黙したり(感心して言葉がでない)

そんな秋の一日をあなたに。

須佐知行


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 2000年11月13日〜11月22日


田中敏雄漆芸展
 




法隆寺などの創建築時に使用されていた木工道具に「ヤリガンナ」がある。

槍の穂先が反った形をしたこの刃物は、木の繊維に逆らうことなく

平たいスプーンで掬い取るように削りだすため、柔らかな曲面が連続して生じる。

田中敏雄氏の作品が暖かみを帯び素朴で美しいのは、

このヤリガンナを多用し、木のもつ魅力を最大限に引き出しているからだ。

「漆は本来、使うごとに趣を深め、堅牢でなければいけない。」

と語る田中敏雄「漆の用と美の世界」御案内申し上げます。