大因州和紙

茶室「あそ坊」の壁紙は、鳥取の因州和紙の塩さんから頂いたものです。
こちらの和紙は、壁紙用の和紙で何十メートルものロール状で納品して下さいました。
阿曾美術は、生成のままのなにも加工していないロールを頂いて自分たちで
墨で着色しましたが、塩さんの会社の因州和紙は多くのモダンな壁紙のシリーズがあります。
襖などの和紙もこちらで加工をされ,常に新商品を発表するために日々修練されています。
今回は、こちらの工場と資料館を見学させて頂いたのでご報告したいと思います。
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こちらは、鳥取にあるショールームです。
塩さんが案内をしてくださいました。
さまざまな壁紙や、襖の見本が
和室や洋間などいろいろ設えてあります。
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ショールームの銀色に輝くこの柱も、和紙でくるまれています。
金色に加工されている和紙は、外国なんかで大人気
だそうです。特に天井なんかに貼ると、明るく反射してお顔も
さらに美しく映えるというわけらしいのです。
さすが、女性の美に対しての思いはすごい!
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こちらで、和紙に着彩をしています。
壁紙の新しいイメージ創りを常にしています。
刷毛で墨を塗り込んでいます。
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こちらは、実際に加工されている工場です。
紙になる前の状態を見せて頂きました。
原料である楮のチリとりをしています。
冷たい水の中での手作業です…
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まるでかんぴょうのように浮かんでいるのが楮の皮です。
漂白されたものは、この段階で、真っ白です。
写真は生成のままの楮です。
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楮をたたいて、繊維をほどくのですが、
ここでは機械にかけています。
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写真の左から、楮、雁皮、三椏の和紙の原料です。
和紙はこれらの木の種類によって繊維の長さなども違い、
強度なども変わってきます。
それぞれの特徴に合わせて和紙を選ん使用します。
版画の世界では、銅版画という技法の中の一部に
「雁皮刷り」というものがあります。それは、ものすご〜く薄くて
丈夫な雁皮紙を使った刷り方です。
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鳥取の自然に囲まれ、因州和紙は育まれてきました。
壁紙が和紙だと「呼吸をしている」という感覚を思いだします。
塩ビの壁も便利ですが、もっとやさしくやわらかな風合いを持った和紙の壁紙が
生活の中に溶け込んでいくといいなぁと、心から思います。
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