2015年2月3日〜13日

西岡良弘展 XV







「芸術は模倣から始まる 私にしかつくれないものはその先にある」


西岡氏の創意のひとつである。

十五回目、テーマを定めず幅広くと決めた今展。

御高覧頂ければ幸いに存じ上げます。

(光)




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 2015年4月14日〜24日


漂泊の俳人

山頭火 書展







一笠一杖に破れた法衣を纏い、漂泊行乞しながら

句作に身を投じた種田山頭火。

その自由な生き方に魅せられる人は多い。

されど遺された日記から読み取れる孤独と挫折感の日々。

自分の愚かさから逃げることなく

文学をもって向き合った生涯。

「濁れる水の 流れつつ澄む」

この境遇に到るまでの生きざまと心情を遺墨によって触れてみたい。






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 2015年6月2日〜12日


田中敏雄展






我がギャラリーでは、常備品の小ぶりな匙。

ぜんざい、福豆、時には洋菓子などにも使用し、

とても重宝してきた。

造形の曲線はやわらかいが、持ち手の部分の

黒いエッジがピリリときいて作品全体を引き締めている。

この一見何気ないところへの気配りと

匙加減が田中敏雄氏の真骨頂なのである。






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 2015年7月8日〜17日


松田正平 書展 XI






午前10時、約束の時間に山口県宇部市の正平さん宅に伺った。

雑木林のような庭に面したガラス戸を開け「おはようございます」と、

幾度か声をかけたが応答がない。

致し方なく軒下にある椅子に腰掛け、正平さんが絵の題材として

栽培している薔薇や木々を翔び交う小鳥たちを眺めていると、

小一時間ほどして正平さんが目を擦りながら起きてきた。

私の顔を見るなり少し驚いた様子で

「お〜〜  阿曾さんか〜今日は  又    何 ご と で す か?・・・」

このようにして正平さんとの時間は始まるのである。

目の前で書をかくところに幾度か立ち会ったことがある。

数枚書くと、「かすかすじゃのぉ」とか

「弘法さんには  及ばんが・・・」

「良寛や光太郎(高村) 、 あれは  なかなか  たいしたものですよ」

などなど・・・。

油絵を描かなくなった晩年は

「 この頃  漸く  書の面白さが  少し  分かってきたような気がしますね

        しかし  わたしの  拙い字を  よいと言うのは  あなたぐらいのものですよ  

    物  好  き  じゃ  のぉ」

芸術家としての厳しさを、笑いとジョークで包み隠していた正平さん。

遺墨を見るたびに、あの笑顔とゆっくりとした口調を思い出すのである。




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2015年9月12日〜18日

古谷和也展 IV







「苦しみもあるが、歓びはそれ以上です」

自ずからの仕事を語る和也氏。

古信楽の風趣を学び、独創性を模索しながら

自分の信楽を作ろうとしている。

力の源は、作品を喜んでくださる方の存在と、

納得いくものを作れたときの達成感。

終わりがない、この仕事。

四回目となる古谷和也展、

ご高覧頂ければ幸いに存じ上げます。

(光)




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2015年10月6日〜16日

三原研展 VIII「景」









面と曲線


最もシンプルな造形美


心が吸い込まれていく


深淵なるいのちを感じる



作家は語る

「作品は血のたぎり」と。




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2015年12月1日〜11日

阪口鶴代展 IV